おはようございます。「大神 絶景版」をSwitchでクリアしました。
独自のシステムを採用しているロングヒットRPGです。評価が高いのでずっと気になっていました。セール価格で990円まで下がっていたので好機と思い購入。日本神話の世界に身を投じることとなりました。「大神(おおかみ)」というのは、狼と神様を掛けています。主人公は狼。オオカミさま と呼ばれたり、アマテラスと呼ばれたりします。喋りません。
独自のシステムというのは、何と言っても「筆しらべ」。基本的にイベントシーン以外で、R1を押している間は画面に筆で落書きできる状態になります。そこでY+スティック入力で筆を走らせて図形を描くと、世界に何らかの影響を及ぼすことができます。例えば、枯れ木に花を咲かせたり、オブジェクトを一刀両断するといったようなことです。
主人公アマテラスは元々持っていたと言われる数々の筆しらべを失った状態で旅が始まります。筆しらべの技を取り戻していくとフィールドでできることが増えたり、ダンジョン攻略の要になったり、今まで行けなかった場所に行けたりします。
力を失っているのは世界全体がそうで、淀んでいる場所や緑を失った場所ばかりになっています。
敵を倒したり筆しらべを駆使することで豊かな自然を取り戻していく、そのぶわっと花畑が広がるような表現がとっても美しいです。ちょっともののけ姫のシシ神様っぽい。
妖気の出所を抑えて平和を取り戻すのが旅の目的となります。
また、
一つできることが増えるとマップを後戻りしたくなるのがこのゲームの魅力です。フィールド上には怪しい所が山ほどあって、ここ解決できるようになったか?まだか…。を繰り返す、もどかしい旅になります。ゼルダの伝説と似たような手触りを感じました。
やりこみ要素が本当に多く、何もない場所がないというか、フィールドの密度が高いです。大なり小なり何かを見つけたときは、たいてい「幸玉」=経験値が取得でき、アマテラスの強化に繋がります。
敵との戦闘にも筆しらべを使います。使わず勝てる場合もあるのですが、使った方が速く倒せて、速く倒すと取得金額が増えます。戦闘はアクションで行うのですが、敵の特殊技や防御を突破するのに特定の筆しらべが有効なことが多く、戦闘中に色々試すのが面白いです。その場で有効なものを見つけられなくても、一度戦った敵は図鑑に登録されるので、図鑑を見直すと倒し方のヒントが隠れていることがあります。
敵を効率よく倒そうとすると結構忙しい指使いになるので、プレイヤーの熟練度がしっかり戦闘に反映してきますし、うまくいったときの達成感があります。
物語の中には、かぐや姫、舌切りすずめ、花咲かじいさんなどの日本昔話を意識したキャラクターが登場します。展開も予測できるのですが…予測できないことも起こります。「そうなるの!?」とか「そうはならんやろww」とか、元のストーリーを知っているからこそ振り回されるのが面白かったです。
気になったのはセリフ回しです。
元々2006年発売のゲームですし、世界観的に昔かたぎな人物だらけです。主人公に近しい仲間が、
女性キャラクターを胸で表現するシーンが多すぎて不快に感じました。巨乳のキャラクターには必ず反応し、「ボイン姉」とあだ名をつけてしまうほど。キャラクターの描き方も、やたら胸を露出していたり、揺らしたりといった表現が多かったです。下品な演出をしなくても女好きを表現する方法はあると思うので、この点は残念でした。
グラフィックは筆で描いたような珍しいタッチになっていて、クセがあって始めはなじめませんでしたが、だんだん気にならなくなっていきました。カットシーンで差し込まれる日本画の一枚絵がたくさんあるのですが、どんな経歴のスタッフさんが描いたんだろうと驚く出来栄えです。
そんなこんなで、マップを駆けずり回って筆しらべの技を取り戻し、緑豊かな土地を広げていく旅でした。淀みの源を突き止めた後、最終戦の展開は結構アツい。
評判ほど好きになれなかったというのが正直な気持ちですが、唯一無二のシステムを使った、この独創的なゲームをもっと色んな人に知ってもらいたいという思いはあります。
思えば人間以外の動物を主人公としたRPGをプレイするのは初めてだったかもしれないですね。狼ではあるんですが、私は完全に犬として愛でるような気持ちで見ていました。いぬかわいい。
アマテラスが何を考えているのか分からないようで、最後は結構分かる。プレイヤーとアマテラスの距離が始めはなんとなく遠く、それが縮んでいく旅でもあったと思います。

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ネタバレするよー