こんにちは。産後休業中のあゆがしです。
産前休業中はとっても暇でした。ということで二ノ国 白き聖杯の女王 for Nintendo Switchをクリアしたのでレビューしていきたいと思います。
児童向けだと高を括っている人は騙されたと思ってプレイしてみて。
これです。私がその一人です。予想を超えた、とてもよくできたゲームだったと思います。
企画/制作 レベルファイブ
アニメーション作画 スタジオジブリ
音楽 久石譲
といった泣く子も黙る豪華メンバーで創られた王道RPG。ジブリ映画と遜色ないカットムービーは必見です。
特に、一ノ国やゴロネール王国の街並みは魔女の宅急便に出てきそうな趣がありとても素敵です。
<導入>
主人公オリバーはとある事故で母アリーを亡くしてしまいます。
失意の中、アリーが残したぬいぐるみに涙を落とすとシズクという妖精が現れ、見たことも聞いたこともない二ノ国を救ってほしいと告げられます。
オリバーたちのいる世界は一ノ国とされており、一ノ国と二ノ国は密接な関係にあるため、あちらの世界に行けば母を救う方法があるかもしれないと言うのです。
ただし、二ノ国を救うには魔法使いジャボーを倒さなければいけません。
こうしてオリバーは二ノ国と母を救うために魔法使い見習いとなり、長い旅が始まります。
<システムーオリジナル要素>
・『マジックマスター』がすごい!!
オリバーは魔法使いとしての力を磨くために、抜けページや黒塗り箇所のある魔導書『マジックマスター』のページを完成させていきます。
この『マジックマスター』、まさに百科事典のようなもので、
攻略サイトに載っているような多くの情報に序盤からアクセスすることができます。
魔法事典、アイテム事典、合成レシピ事典、モンスター事典、伝承、世界地図と各地方の文化、
アストラム言語(ゲーム内独自言語)の50音対応表など。
つまり、
調べ物をしたいとき、プレイヤーはブラウザを開くのではなくて、ゲーム内でマジックマスターのページをめくって調べることができます。
プレイヤーの意識をゲームの世界に留めたまま調べ物ができる、素晴らしいアイデアだと思いました。
魔法事典には魔法の詠唱方法(各魔紋の描き方・描き順まで!)が載っているので、子どもの頃にこのゲームに出会っていたら絶対真似してただろうなと思います…。
・心のカケラを集めてヌケガラビト(心を失った人)を救う
ジャボーの仕業で発生したヌケガラビトへ、有り余るほど健康な(?)心を持つ人から「やる気のカケラ」「やさしさのカケラ」などを分け与えて救っていきます。
同じ種類のカケラは一度に1つしか持てないのが不便でした。
・様々な場面で役立つ色んな魔法
RPGでの「魔法」といえば攻撃・回復・補助魔法ですよね。
このゲームでは、魔法を使うことで「炎を使ったり」、「物を動かしたり」、「動物の声を翻訳したり」、「足場を作ったり」その他様々な行動を取ることができます。
通常メニューとは別に、ワンボタンで魔法メニューが開き、どこでも場面に応じた魔法を使うことができます。魔法が使える場面を限定しないことで、プレイヤー=魔法使いである一体感を味わえます。
<システムー戦闘>
オリバーはHP/MPを共有するモンスター「イマージェン」を3体まで所有できます。
オリバーを含めて4体のうち1体が場に出ている状態になります。
パーティメンバーは3人までなので4体のグループが3つ。計12体のキャラクターが手駒になり、各グループから1体ずつ場に出します。場に出ているキャラクターは、同じグループのメンバーと戦闘中いつでも交代できます。
伝わってるか?
オリバーくんグループ [オリバー][犬][猿][雉]
マルちゃんグループ [マル][かしゆか][あ~ちゃん][のっち]
xxxxグループ [xxxx][炭治郎][禰豆子][全逸]
こんな感じです。
オリバーが魔法特化型なので、イマージェンをパワー特化型、防御特化型などで差別化すると戦略的に戦えて楽しいです。
プレイヤーは戦闘中、手駒の12体のどのキャラクターも操作できます。
ただし、プレイヤーが一度に操作できるのは1体までなので、他の2グループ(8体)はグループ内交代も含め、AIが操作します。(回復優先、MP使うな等の作戦指示は都度できます。)
戦闘ごとにキーマンとなる能力を持っているキャラクターを見極めて誰を操作するべきか考えるのがこのシステムの醍醐味ですね。
戦闘の難易度としては、敵モンスターの攻撃に合わせて
きちんと防御・回避行動を取らないと苦しくなるバランスです。
戦闘はノーマルとイージーが選べますが、ノーマルでは防御のタイミングが結構シビアで良かったです。パワー特化型は防御・回避コマンドを持っておらず、敵の詠唱開始から即座に仲間を入れ替えて防御・回避を選択するのが、ギリギリ間に合うか間に合わないかのタイミングになります。
MP消費が結構激しいので、MP量と消費量のバランス、もしくはMP量と店売りのMP回復アイテムのバランスがもう少し易しいと良かったです。
(MP温存のためにパワー特化型のイマージェンでゴリ押す場面が多かった。終盤はオリバーのMP300超えに対して店売りが70回復。)
また、戦闘中は自分が操作していないグループのMPゲージが表示されていない(メニューを開く必要がある)ので、仲間のMP枯渇に気付きにくいのもストレスでした。
敵モンスターは特定の条件でイマージェン化させることができます。ドラクエ5と似てますね。
<システムーその他>
・シンボルエンカウント
・受注式のサブクエスト/モブハントあり(モブハントが一体ずつしか受注できないのが不便!)
・ダンジョンの最奥部に入口へ戻るワープホールが設置されて親切!
・メイン/サブクエストの要約を確認できて親切!
・宝箱回収率、モンスター図鑑コンプリート率などが確認できて親切!
・目的地表示が親切すぎて、ストーリー上「〇〇の手がかりを探しに行こう!」なときでも一切の迷いなく人/モノが見つかる
やり込み要素が多くボリュームのあるゲームです。
このゲームは一ノ国と二ノ国の関係、世界観を大いに活かした、それでいて分かり易いストーリーでできています。スタジオジブリの技術で彩られたストーリーはとても優しいもので、老若男女問わず心に染みるものだったと思います。
これまで多くのRPGをプレイしてきた私ですが、予想した展開を裏切られる意外な場面もあり、純粋な気持ちで楽しむことができました。
オリバーの母を救いたいという願いがどのようにして結ぶのか、ぜひこの結末を見届けてください。

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